とらえんは、トラウマが人や関係性にもたらす影響を理解してケアする「トラウマインフォームドケアの知識」と、物事の解決より物事にまつわる感情の解決をはかる「エンパワメント・グループ」体験を組み合わせた取り組みです。
エンパワメント・グループは、安全が守られる枠組みの中で、お互いに気づきや新しい視点を得るのを助け合う自助グループのひとつです。
とらえんは、トラウマそのものを治療する場でも、トラウマを話さないといけない場でもありません。どんなことが心のケガになりやすいかについて基礎的な知識を持って、人の話をじっくり聞く場であり、話す場であり、それを通して、参加者それぞれが自分の本当の気持ちやニーズに気づいていく場です。
傷ついたり・傷つけてしまったりする体験は、大なり小なり誰もが体験します。傷つき体験は、人との関係の中で生じますが、その回復もまた、人との関係の中で生じます。誰かの回復を信じ支えられる支援者は、回復を体験し回復を信じられる支援者ではないでしょうか。ご自身のセルフケアとして、とらえんを試してみませんか。
これまでに参加された方々
いろんな職種の方が全国から参加して下さる異業種交流会のような場になっています。
【教育】教師、養護教諭、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、図書館司書、子ども・青年支援のNPO職員など
【福祉】児童福祉士、児童心理士、放課後等デイ職員、就労支援機関職員、グループホーム世話人、困窮者支援、依存症回復支援相談員など
【医療】看護師、臨床心理士
【その他】居場所づくり、青少年支援、少年司法に関わる方 など
とらえん体験者の感想
・「ゆっくり発言者の話を聴く…そして、質問し、また発言する。技法とかではない、安心安全の場を作るとはこういうことかと体感できた」
・「自分の気持ちを一段階深く理解することができ、グループでの傾聴の力の大きさを感じた」
・「とらえんでの体験は、支援対象者や同僚とのコミュニケーションでも活かせていると思う」
・「言いっぱなし、ききっぱなしがいい時もあるが、治療共同体の中で自分の中に一緒に深くおりていく時に、仲間がいる
という安心感、そこでみつけた感情にその時に手当てすることができるということが、また違う良さなのだと思った」
・「すぐには問題を解決することはできず、何を目指せば良いのか、この仕事をして経験を重ねていくうちにわからなくなってきていたが
参加させてもらって光が見えた気がする」
・「自分の感情をありのままに伝える。そして、聞いて守られる経験を通して、勇気をもらった」
・「このグループで自分の感情について話すことは、自分を大切にすることにつながり、自己肯定感につながるように感じた」
・「支援者であっても、心の揺れがあるし、つながっている、支えてもらっているという感覚がないとやっていけないと感じた」
・「自分自身の傾向などの気づきが得られた」など
とらえんを体験する
・参加は無料です。
・基本オンライン(Zoom)で実施しています。通信状態が安定したところからであれば、どの地方からでも参加できます。
・1回の参加人数は10名~15名程度です。お申込みいただいても参加人数が3名に満たない場合は、延期のご連絡をさせていただく場合があります。
実施予定日
2024年
※変更の可能性もございます。
1/13(土) 終了しました
2/6(火) 終了しました
3/9(土) 終了しました
4/13(土) 終了しました
5/11(土) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
6/8(土) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
7/15(月祝) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
8/12(月祝) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
9/14(土) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
10/14(月祝)18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
11/9(土) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
12/7(土) 18:30~21:00 ※受付中 初参加の方は18:30~ 体験者の方は19:00~
・お申込みはこちらのページからお願いします。
参加条件を満たしていない場合は参加をお受けできない場合がございます。
・所属機関や学校で、グループの導入をご検討になりたい場合は、こちらまでご相談下さい。
ご参加いただくにあたっての条件、注意事項
・初参加の方には、事前にトラウマに関する基礎知識の動画(視聴時間約40分)をご覧いただきます。お申込みフォーム受領後、動画情報を
送ります。
・アンケートや感想のご協力をお願いしています。
・集中して話を聴いたり話したりできる静かな環境、他の参加者の声が周囲に漏れ聞こえない環境からご参加いただきます。
・基本、お顔出し、声出しでのご参加をお願いしています(特別な配慮が必要であるような場合は事前にお知らせください)。
・とらえんでは過去のトラウマ体験を詳細に語っていただいたり、尋ねたりすることはしておりません。
しかし、対話の中で、何かのきっかけで過去の体験が刺激される可能性はゼロとは言えません。
ご不安がある場合は、お申込み時点でご相談ください。
・事前にZoomを最新版にアップデートしておくこと
久しぶりにZoomをご使用になる場合、更新に時間がかかり、開始直前に更新が始まると開始時間に間に合わない場合もあります。
最新バージョンへのアップデートの方法 → https://support.zoom.us/hc/ja/articles/201362233
Zoom未経験で不安がある場合は、主催者が可能な範囲でアシストを致しますので、1週間前までにお知らせください。
エンパワメント・グループ
エンパワメント・グループは、欧米の治療共同体モデルを参考に、日本の治療共同体研究会のメンバーや民間回復支援施設ダルクのスタッフたちによって創り上げられた、グループの力を活用した支援モデルの中の一手法です。共同体(グループ)に参加し交流することで共感を覚え、その中で自分自身の考え方や感じ方、行動に気づき、前向きな変化がもたらされるという社会的学習理論に基づいた取り組みで、「仲間を助けることによって回復する」自助の力が、より効果的に引き出されると言われています。
エンパワメント・グループの中にある安全を守るしくみ、それは「エンパワメント・グループガイド」とツールとしての「質問とフィードバック」です。相手に気づきを与える質問と、その人が気づいてない肯定的な側面を伝えるフィードバックが、安全な環境の中で行なわれることで、グループに参加する一人ひとりに気づきと回復のための力がもたらされます。
育まれていく力の代表的なものが、エモーショナル・リテラシーです。感情に気づき、理解し、自分にも相手にも安全な形で表現する、この力は対人関係を支え、人との関わりをより豊かで喜びの多いものにしてくれます。
治療共同体モデルは、映画「プリズン・サークル」の中でも紹介されています。
エンパワメント・グループは、治療共同体ネットワーク(TCネット)の協力を得て実施しています。
エンパワメント・グループガイド
このグループは、
言いっぱなしききっぱなしではありません。
まずは、発言している人が
伝えたいことに耳をかたむけ、
感情に共感しましょう。
そして、その人が語ったことを、
よりはっきりと
鏡に映し出すように、
問いかけましょう。
問いかけるとき大切なことは、
裁かないこと、
意見を押しつけないこと、
結果や結論を求めないこと、
相手を変えようとしないこと。
グループに参加する一人一人が
相手に気づきを与え、
成長をうながすことのできる
教え手であり、そして
気づき、成長する学び手です。
治療共同体研究会 2019 Addicts’ Empowerment Program (AEP) 依存症者のためのエンパワメント・プログラム ファシリテーションガイドより
エンパワメント・グループの特徴
自助グループには、ピアサポートグループ、言いっぱなし聞きっぱなしグループ、当事者研究など、さまざまな形があり、それぞれに良さがあります。エンパワメント・グループを、例えば、言いっぱなし聞きっぱなしグループと比較すると、こんな違いがあります。
協力団体
トラウマインフォームドなエンパワメントグループは、治療共同体ネットワーク(TCネット)の協力を得て実施しています。
TCネットでは、毎月エンパワメント・グループやエンパワメント・グループの運営に役立つ講座が開催されています。ご興味のある方は、上記リンクで詳細をご覧ください。
参考資料
引土・近藤 (2017) AEP:依存症者のためのエンパワメントプログラム ファシリテーション・ガイド
子どもへの性暴力 第2版
PTSD発症リスクの高い性暴力。 実に、女性の2、3人に1人、男性の10人に1人が性暴力にあっているという調査が出ています。
今の問題や生きづらさに、ひょっとしたら過去に受けた性暴力が影響しているかもしれません。性暴力というトラウマについて知り、二次加害を防ぎながら関わるために必読の1冊です。
第5章「支援者へのトラウマの影響」を担当させていただきました。
非行少年に対するトラウマインフォームドケア
ルールが守れない、迷惑行為を繰り返す、周りはうんざり、居場所がなくなる。そしてその先は…。説得も罰則も効かない、いったいどんな関わりをしていったらいいのか…そんな気持ちになっている全ての大人に読んでいただきたい1冊です。3章「個別的トラウマを理解する」と8章「トラウマインフォームドな予防」の翻訳を担当させていただきました。こちらからご購入いただけます。
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